「インデックス投資は勝者のゲーム」を読んだ感想

 これは、インデックス投資をひたすら勧める本です。

 上記の2つも、インデックス投資を勧めていて、この3冊を読むとインデックス投資以外は考えられなくなります。アクティブ投資やデイトレードをしている人もいるので、そちらの方々の言い分も聞いたほうがいいのかもしれません。
 ただ、長期的に低リスクに資産を増やしたいなら、インデックス投資しか選択肢はないと思っています。

 短期間に一発当てたい人にはインデックス投資は向かないですし、デイトレードをしたほうがいいかもしれません。
 また、高配当投資のほうがキャッシュフローを確保できるという点で、精神的には楽だと言う人もいるかもしれません。

 本書では、インデックス投資が他の投資よりいかに優れているかをひたすらデータで示しています。このデータを見てもなお、インデックス投資より優れた投資方法があるはずがないというくらい明らかに優れた成績を出しているのです。

投資の原則を寓話で解説

 本書で紹介されていた寓話をここでも紹介します。

裕福なゴットロックス家

 ゴットロックス家という大変裕福な一族がいました。一族はアメリカの株式100%を保有しており、配当金でとても豊かな生活をしていました。

 ある時「助言者」がやってきて、一族の一人にこう言いました。
「もっと稼げる方法がある。」
一族の一人は助言者に従い、株を売買し始めました。

 有益な情報を教えてくれる代わりに、助言者に対して手数料を支払いました。ところが、一族全体の利益率は下がっていたのです。これは助言者に支払った手数料や、売買手数料、税金が多くかかったからです。

 一族の一人は、さらに優秀な助言者を雇いますが、なぜか一族全体の利益は下がる一方です。

 一族の長は、「助言者」をすべて追放するように言い渡し、ゴットロックス家は末永く幸せに暮らしましたとさ。

何もするな、そこにいろ

 投資家と証券マンの間には、利益相反があると言われています。証券マンは投資家に対し、
「ぼーっとしていないで、何かしろ!」と言い、頻繁に取引をさせようとします。売買手数料がたくさんもらえるからです。
 しかし、投資家目線で考えると、「何もしないこと」がゲームに勝つ方法なのです。

 何もしなかったゴットロックス家は裕福でした。

 助言者(証券マン)に乗せられて、何かしてしまったゴットロックスの一人は、利益を減らしてしまいました。

 売買が増えれば増えるほど、手数料が多くなり、利益が減ってしまうということが教訓です。これは投資家のポートフォリオだけでなく、売買の少ないファンドを選ぶことも大事になります。売買が少ないファンドとはインデックスファンドのことであり、信託報酬が低い傾向にあります。

良き時代はもはや続かない

 本書では、今後、以前のようなリターンは期待できないと言います。

 現在の配当利回りやこれまでの高すぎるPERなどを考慮した結果、アメリカの成長率は4%ほどになります。
 これはあくまで著者の予想なので、100%の真実ではありません。ただ、データ上は下がる可能性が高いと見るのであれば、あまり楽観的に考えるべきではないかもしれません。

 インデックスファンドに長期投資をした場合に、4%の平均利回りになる計算で計画を立てるべきでしょう。

ETFはおすすめできない

 投資信託ではなく、ETFに投資する人もいることでしょう。まさに僕は米国ETFに投資をしようとしています。

 ETFは、売買手数料が高いので、積立投資をするには向かないと言います。
 2020年から、米国のインデックスETFの売買手数料がタダになっているので、この制度が続く限り売買手数料は気にすることはないでしょう。

 また、リアルタイムに株価が反映されるので、デイトレードができてしまうという特徴もあります。インデックスファンドのように長期保有するなら問題ないのですが、売買を繰り返してしまうと、ETFは優れた投資とは言えなくなります。

 ETFは配当金を手動で再投資する必要があります。これは手間になりますし、配当金に対して税金がかかります。勝手に再投資してくれる投資信託と比べると、投資効率が落ちてしまいます。

 ETFの良いところは、経費が安いことです。投資信託の信託報酬よりも安く設定されている場合があるので、ETFと投資信託でどのくらいコストがかかるのかを調べた上で、どちらにするか選ぶといいでしょう。

 日本から米国に投資をする場合、為替手数料を考慮しないといけないですし、つみたてNISAといった節税できる制度もあるので、合わせて検討してみましょう。

アセットロケーションはリスク許容度によって変える

 インデックスファンドに投資する前提で、重要になってくるのがアセットロケーションです。つまり、株と債権をどのパーセンテージで保有するかということです。

 ベンジャミン・グレアムは、25%〜75%の間から出ないようにしつつ、50:50がベストだと言っています。これは一般論であり、個人個人のリスク許容度によってパーセンテージを変えていく必要があります。

資産を積み上げる段階では株を多く保有する

 まだ若く、収入があり、資産がそれほど多くない投資家は、株式のパーセンテージを多めに保有することをおすすめしています。
 年齢と同じだけの債権を保有するのが良いと言われることがありますが、おおよそ正確でありつつも完全に信じていいものではありません。

 例えば、30歳なら債権を30%、株式を70%保有するというのは一般論としては良い選択かもしれません。しかし、その人が早くリタイアをしたいと思っているなら、株式の割合をもっと高めるべきですし、引退後まで安全に資産を積み上げたいなら債権の比率はもっと高めるべきかもしれません。

新たなアロケーションの登場

 ベンジャミン・グレアムが生きていた時代は、株と債権が主なアロケーションでしたが、今は不動産、金、外国株など、多くのアロケーションが出てきています。

 確実に分散するなら、すべてのアロケーションに投資するべきですが、そうなるとアセットロケーションの割合はさらに複雑になります。

 僕は米国株式にしか投資をしていませんが、円を使い、円をもらうために仕事をしているので、自然と米国と日本に分散できています。
 また、米国企業はグローバル展開していて、利益の半分は外国で生まれていると考えれば、米国株に投資をするだけで十分な分散ができます。

 もっと分散してリスクを減らしたいという人は、不動産(リート)やコモディティ商品も考えてみるといいでしょう。

年金は債権と似たような仕組み

 年金は毎月積み立てる債権と同じような役割を持っています。なので、株と債権を50:50の割合で持つと、債権の割合が高くなると考えることができるのです。

 年金は、課税されるまでに投資してくれる優秀な商品です。年金を考慮すると、若い人は株に100%投資していても、実際には株と債権の投資割合が適切になります。
 以上を考慮して、僕は株式100%のアセットロケーションを組んでいます。考える手間も省けますからね。

まとめ

 本書で伝えていることは、やはり、

  • インデックスファンド
  • 長期投資
  • コストを低く

という、過去に触れた著書と全く同じものです。

 本書でさらに強調されているのは、「アセットロケーションの重要さ」です。株と債権を何%ずつ保有すればいいのか。どのように割合を変えていくのかによって、投資成績やリスクが変わってきます。

 それぞれで、投資をする目的を決め、投資計画を立てていきましょう。