市場規範と社会規範を使い分けよう

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著書「予想通りに不合理」の第4章の内容である「社会規範のコスト」という部分の感想を含む。
社会には市場規範と社会規範の2種類の規範がある。
この内容の結論としては、社会規範を大切にしようということであるのだが、市場規範と社会規範のあり方についてまとめていこうと思う。

市場規範とは

市場規範とは金銭的なつながりを基にした価値判断のことである。
どんな時にこの市場規範が使われるかというと、消費行動の時がわかりやすい例だろう。
お金を1万円払ってフライパンを手に入れる。というように金銭の価値のみで判断されることになる。
そこに私情は一切含まない。
電気屋さんで1万円のフライパンを譲ってくれといってもほぼ間違いなく拒否される。
この金銭的な価値のみを判断基準をする規範を市場規範という。

社会規範とは

一方、社会規範は、愛や道徳といった心理的な部分を基にした価値判断のことである。
例えば、いつも仲良くしている八百屋さんからレタスを譲ってもらう。
ここには金銭は一切介入せず、お互いの信頼や愛情のみで取引が行われる。

市場規範と社会規範は混在しない

市場規範と社会規範が混在することは無い。
あなたがデートにプレゼントを持っていったとする。
5000円で買ったワインを彼女に渡すと彼女は喜ぶだろう。
仮にワインの良さがわからなくても、彼からの愛情のあるプレゼントであればなんでも嬉しいものだ。
ところが、その彼が「このワイン5000円だったんだよ〜」と言ったらどうなるだろうか。
彼女は一気に市場規範へと価値判断を切り替えていき、彼に対して愛情を感じなくなってしまうだろう。
つまり、市場規範と社会規範は混在することができないのだ。
著書「予想通りに不合理」では、一度市場規範に流れていくと、社会規範に戻すのは困難であるとしている。
つまり、一度でも彼女に対する愛をお金に換算してしまうと、彼女はもう愛を感じなくなってしまうということだ。

会社にとって、社員を社会規範で扱う方が都合が良い

私たちがお金をもらうのは大抵の場合会社だから、会社と社員の関係は市場規範であると思うだろう。
しかし、会社としては社員との関係を社会規範にした方が有利になると考えられている。
もし、会社と社員が市場規範のみでできあがっているとすれば、まずサービス残業はありえないし、会社の給料に不満がある社員はすぐに他の会社に転職してしまう。
そこで会社は、現金だけでなく社会保障や福利厚生などのサービスを充実させることで社員との家族意識のようなものを築こうとする。
ここで会社が福利厚生としてのスポーツジムではなく、ジムに行くための1万円を給料に上乗せするとしよう。
もちろん社員としては嬉しいのだが、それでは社会規範が成り立たないため、金銭的価値の上での関係しかできあがらない。
他にも社員同士の懇親会を開催したり、年に一度は長期休暇を与えることで社会規範を保っている。

まとめ

市場規範の方が社会規範よりも力が強く、一度市場規範に変わると、社会規範に戻すのが大変だというのは先ほど述べた通りである。
そのため、私たちが取るべき行動というのは社会規範が存在する場所を守ることである。
お金が介在しない社会規範のコミュニティがあれば人はお金がなくても価値を提供し、享受することができる。
世の中は市場規範で溢れているからこそ、社会規範を意識して大切に守らなければいけないのだ。